KOBAYASHI LAB NEWS 2017

2017.04.20

藤谷英孝君が日本建築学会奨励賞を受賞しました

 小林研究室で博士号を取得した藤谷英孝君が、研究室在籍中に調査・投稿した論文が、2017年の日本建築学会奨励賞を受賞しました。

<建築学会ホームページ

 この賞は、40歳以下を対象とした個人に与えられ、若手登竜門といわれる権威ある賞です。今年度は建築計画系8篇の応募があり、そこから選ばれた2編のうち、一つが藤谷君の論文となりました。

 小林先生が1980年代に提唱した生活領域論が、現代でも有効かどうかを検討することを目的とし、同じ住宅地を同じ調査項目を用いて調査した労作です。これを通して、1980年代の理論が現代も概ね適用できることを示しつつ、生活領域において経年変化の影響があることを丁寧に描いています。

 審査員による評価を以下に紹介します。他の受賞論文のコメントに比べると、とりわけ高い評価が記載されています。研究室として大変嬉しいことです。


所有形態が異なる都市型低層集合住宅の経年変化
−経年変化にともなう生活領域の変化に関する研究 その3−

日本建築学会計画系論文集 第78 巻 第691 号/pp.1883-1890/2013 年9 月

 本論文は、1980 年代に提唱された住居集合住宅の代表的な理論である生活領域論について、時間変化の中での理論の妥当性の検証を目的とするものである。所有形態が異なる都市型低層集合住宅を対象に、住環境と居住者意識の相互関係に着目しつつ、生活領域の経年変化を、同一の住宅地における30 年という時間軸の中で丹念に分析した労作である。

 生活領域の経年変化について、居住者の個人属性、物的な住環境、社会的環境の変化への対応に着目した分析が行われており、長期にわたる生活の蓄積が居住者の生活領域の形成に影響を及ぼしていることを客観的に証明している。これは1980 年代に提唱された領域論に新たな知見を加えるものであり、社会環境が変化する中での都市型集合住宅の建築計画論、とりわけストック型社会における集合住宅の再生を検討するうえでの示唆に富む知見を提供している。

 以上のように、本論文は社会的に意義が大きく、かつ今後の発展が期待できる優れた研究内容であり、奨励賞にふさわしいものとして高く評価できる。

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